宅建業法 ・ 報酬

報酬額の上限と計算

売買・交換・貸借の報酬上限と、低廉な空家等・長期の空家等の特例を整理します。

読了目安 約11分 ・ 2026年4月1日基準

売買の媒介は税抜価格を段階計算

課税事業者の税込上限

  • 売買・交換の媒介報酬は、物件価格のうち200万円以下の部分が5.5パーセント、200万円を超え400万円以下の部分が4.4パーセント、400万円を超える部分が3.3パーセントです。建物価格に消費税が含まれる場合は、その消費税相当額を除いた価格で計算します。
  • 400万円を超える売買価格について、依頼者一方から受けられる税込上限は「価格×3.3パーセント+6万6,000円」の速算式で計算できます。
  • 交換では、交換する物件の価額に差があるときは、高い方の価額を基礎に計算します。

代理は媒介の一方分の2倍まで

売買・交換の代理で依頼者から受けられる報酬上限は、媒介で依頼者一方から受けられる額の2倍です。相手方から媒介報酬も受ける場合を含め、その取引について受ける報酬総額が代理の上限を超えないようにします。複数の宅建業者が関与しても、依頼者側・取引全体の上限が人数分に増えるわけではありません。

貸借の媒介は合計で賃料1か月分

居住用建物の片側上限に注意

  • 貸借の媒介で依頼者双方から受ける報酬の合計は、原則として賃料1か月分の1.1倍以内です。権利金の授受がある宅地または非居住用建物の貸借では、権利金を売買代金とみなす計算方法を選べる場合があります。
  • 居住用建物では、依頼者一方から受けられる額は原則として賃料0.5か月分の1.1倍以内です。ただし、媒介の依頼を受ける際にその依頼者の承諾を得ていれば、一方から賃料1か月分の1.1倍まで受けられます。双方からの合計上限は変わりません。
  • 貸借の代理では、原則として賃料1か月分の1.1倍が上限です。

空家等の特例は事前の合意が必要

2024年7月からの上限

  • 売買価格800万円以下の宅地・建物は、使用状態を問わず「低廉な空家等」に該当します。媒介に要する費用を考慮し、依頼者一方から税込33万円まで受領できます。通常上限を超える額を受けるには、媒介契約時に説明して合意しておく必要があります。
  • 長期間使われていない、または将来も使われる見込みがない「長期の空家等」の貸借では、貸主から受ける報酬と双方から受ける報酬の合計について、賃料2か月分の1.1倍までとする特例があります。こちらも事前の説明と合意が必要です。
  • 国土交通大臣の告示上限を超えて報酬を受けることはできず、実際に受領していなくても不当に高額な報酬を要求する行為は宅建業法で禁止されます。

権利金・実費・上限の言葉

  • 宅地または居住用以外の建物の貸借で、返還されない権利金が授受されるときは、その権利金を売買代金とみなす計算方法も使えます。返還される敷金や保証金は権利金に含めません。
  • 依頼者が特別に依頼した遠隔地への出張費や広告費などは、事前の承諾があれば、通常の報酬とは別に受け取れる場合があります。通常の営業費まで自由に上乗せできるわけではありません。
  • 告示の報酬額は受け取れる上限です。必ず上限額を請求する制度ではありません。複数業者が関与しても、依頼者側から受け取れる合計上限が業者数だけ増えるわけではありません。