宅建業法 ・ 8種制限

8種制限① クーリング・オフと手付

宅建業者が自ら売主となる場合のクーリング・オフ、損害賠償額、手付の制限を整理します。

読了目安 約10分 ・ 2026年4月1日基準

8種制限は売主が業者、買主が非業者

8種制限は、宅建業者が自ら売主となり、宅建業者ではない者が買主となる売買で、買主を保護するための特則です。宅建業者が媒介・代理をするだけの場合、買主も宅建業者の場合、貸借の場合には適用されません。

クーリング・オフは場所と8日を確認

できる場合とできない場合

  • 宅建業者の事務所や、専任宅建士を置く所定の案内所等以外の場所で申込み・契約をした買主は、原則としてクーリング・オフできます。テント張りの案内所や、宅建業者が一方的に指定した買主の自宅などが典型です。
  • 買主が自ら申し出て自宅または勤務先を契約場所に指定した場合、その場所での申込み・契約はクーリング・オフできません。売主業者の従業者の自宅は、当然には事務所等になりません。
  • 売主業者から法定事項を記載した書面を交付して告げられた日から8日を経過すると解除できません。適法な書面による告知がなければ、8日の期間は進みません。
  • 買主が物件の引渡しを受け、かつ代金の全額を支払った後は解除できません。解除は買主が書面を発した時に効力を生じ、損害賠償や違約金を負いません。

損害賠償額の予定と違約金は合計20パーセント

債務不履行による損害賠償額の予定と違約金を定める場合、その合計は代金額の20パーセントが上限です。20パーセントを超える部分だけが無効になります。実損額が予定額を上回っても、予定を定めた以上は原則として予定額を超えて請求できません。

手付は20パーセント以下の解約手付

手付解除のルール

  • 売主業者が受領できる手付額は代金額の20パーセント以下です。手付の名称や当事者の定めにかかわらず、原則として解約手付として扱われます。
  • 相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は受領した手付の倍額を現実に提供して契約を解除できます。売主は単に倍額を支払う意思を示すだけでは足りません。
  • 自分が履行に着手していても、相手方がまだ履行に着手していなければ手付解除できます。誰が着手したかを取り違えないことが大切です。

申込み場所でクーリング・オフを判断

  • 買受けの申込みを事務所等で行った後に、喫茶店や買主の自宅で契約を締結しても、原則としてクーリング・オフはできません。契約場所ではなく、申込み場所から確認します。
  • 売主業者から依頼を受けた代理・媒介業者の事務所も、クーリング・オフができない事務所等に含まれます。買主が自ら申し出た自宅や勤務先も同様です。
  • 物件の引渡しを受けただけ、または代金を全額支払っただけでは権利は消えません。引渡しと全額支払の両方が完了したときにクーリング・オフできなくなります。8日は法定事項を告げる書面等を受けた日から数えます。