宅建業法 ・ 8種制限

8種制限② 契約不適合・保全措置・割賦

他人物売買、契約不適合責任、手付金等の保全措置、割賦販売の規制を整理します。

読了目安 約11分 ・ 2026年4月1日基準

他人物売買は原則禁止、取得が確実なら例外

宅建業者は、自己の所有に属しない物件について、自ら売主として非業者の買主と売買契約を締結することが原則として禁止されます。ただし、所有者との間でその物件を取得する契約を締結しているなど、買主へ移転できることが確実な法定の場合は例外です。民法上は他人物売買も有効ですが、宅建業法は業者の自ら売主取引を別に規制しています。

契約不適合の通知期間は引渡しから2年以上

民法より不利な特約の限界

  • 種類・品質について契約内容に適合しない場合の売主責任について、民法より買主に不利な特約は原則として無効です。
  • 例外として、買主が不適合を売主へ通知すべき期間を、物件の引渡しの日から2年以上と定める特約は有効です。「契約締結から2年」ではありません。
  • 売主業者が契約不適合を知りながら告げなかった場合など、民法上も免責が認められない場面では、特約で責任を逃れられません。

保全措置は未完成5パーセント、完成10パーセント

受領前に措置を講じる

  • 未完成物件では、受領する手付金等が代金の5パーセント以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です。どちらか一方でも超える場合は、原則として保証委託契約や保険契約などの保全措置を講じてから受領します。
  • 完成物件では、代金の10パーセント以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です。基準を超えるときは、原則として保証委託契約、保険契約、保管措置などを講じます。
  • 買主への所有権移転登記がされた場合など、買主の権利が確保されている法定の場合は保全措置が不要です。必要な保全措置がないとき、買主は手付金等の支払いを拒めます。
  • ここでいう手付金等は、契約締結後、引渡し前に代金へ充当される金銭を広く含み、名称だけで判断しません。

割賦販売の解除には30日以上の催告

一括請求にも同じ制限

  • 割賦販売で買主が賦払金を支払わない場合、売主業者は30日以上の相当な期間を定め、書面で支払いを催告します。
  • その期間内にも支払いがないときでなければ、契約を解除したり、まだ期限が来ていない賦払金まで一括請求したりできません。
  • これより買主に不利な特約は無効です。

保全方法と受領額の合算

  • 未完成物件の保全方法は銀行等の保証または保険です。完成物件では、これらに加えて指定保管機関による保管を利用できます。保管は未完成物件の方法ではありません。
  • 保全措置を講じる義務を負うのは、自ら売主となる宅建業者です。売買を代理・媒介する別の宅建業者が措置を講じても、売主の義務を代替したことにはなりません。
  • 手付、内金、中間金など名称が違っても、契約後から引渡し前までに代金へ充当される金銭は合算して判断します。買主も宅建業者である業者間取引には8種制限を適用しません。