宅建業法 ・ 保証協会・弁済業務保証金

保証協会と弁済業務保証金

営業保証金との違いを軸に、分担金、還付の認証、還付充当金、社員の地位を失った後の手続を整理します。

読了目安 約10分 ・ 2026年4月1日基準

宅建業者は2つの制度のどちらかを使う

宅建業者は、自ら営業保証金を供託する代わりに、宅地建物取引業保証協会へ加入して弁済業務保証金分担金を納付できます。加入は任意ですが、一つの保証協会の社員は同時に他の保証協会の社員にはなれません。保証協会の社員は、弁済業務開始日以後、営業保証金の供託を免除されます。

60万円と30万円は業者が協会へ納める額

加入から供託までの流れ

  • 加入しようとする宅建業者は、加入日までに弁済業務保証金分担金を金銭で保証協会へ納付します。金額は主たる事務所が60万円、その他の事務所が1か所につき30万円です。
  • 保証協会は分担金の納付を受けた日から1週間以内に、同額の弁済業務保証金を法務大臣と国土交通大臣が定める供託所へ供託します。保証協会の供託は金銭のほか、法定の有価証券でも行えます。
  • 新たな社員が加入したとき、保証協会は直ちにその社員の免許権者へ報告します。社員となる宅建業者自身が加入の報告をするのではありません。

事務所を増やしたら2週間以内

追加納付の期限

  • 社員が新たにその他の事務所を設けたときは、その日から2週間以内に1か所につき30万円の分担金を保証協会へ納付します。
  • 期限内に追加分担金を納付しなければ、保証協会の社員の地位を失います。営業保証金のように、追加供託の届出後まで新事務所で事業を始められないという仕組みとは区別します。

還付限度額は60万円ではない

認証と限度額

  • 社員と宅建業に関して取引をした者は、その取引から生じた債権について弁済を受けられます。社員が保証協会へ加入する前の取引も対象ですが、取引相手が宅建業者である場合は除かれます。
  • 還付を求める取引相手は、先に保証協会の認証を受けます。営業保証金の還付では、この保証協会による認証はありません。
  • 弁済を受けられる限度額は分担金の60万円・30万円ではなく、その社員が保証協会に入っていなければ供託すべき営業保証金と同じ額です。つまり主たる事務所1,000万円、その他の事務所1か所につき500万円で計算します。

還付後は協会と社員が順番に補充する

2週間を2段階で確認

  • 弁済業務保証金が還付されると、まず保証協会が所定の日から2週間以内に還付額と同額を供託して補充します。
  • 次に保証協会は、還付の原因となった社員または元社員へ、還付額と同額の還付充当金を納付するよう通知します。
  • 通知を受けた社員等は、通知日から2週間以内に還付充当金を保証協会へ納付します。社員が期限内に納付しなければ、社員の地位を失います。

社員の地位を失った後は1週間以内に供託

分担金の返還と営業保証金

  • 社員の地位を失った宅建業者が事業を続けるには、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。
  • 社員の地位喪失により分担金の全部を返還する場合、保証協会は還付請求権者に6か月以上の期間内に認証を申し出るよう公告します。
  • 一部の事務所を廃止したため分担金の一部を返還する場合は、この6か月以上の公告は不要です。公告を行うのは宅建業者ではなく保証協会です。

社員資格を失う2つの期限

  • 保証協会から特別弁済業務保証金分担金の納付通知を受けた社員は、通知を受けた日から1か月以内に納付しなければ、社員の地位を失います。
  • 還付が行われた場合の還付充当金は、保証協会から通知を受けた日から2週間以内に納付します。還付があった日から数えるのではありません。
  • 社員の地位を失った宅建業者が事業を続けるには、その日から1週間以内に営業保証金を供託します。1か月、2週間、1週間を、それぞれ何の期限かと組み合わせます。