宅建業の免許制度と届出
大臣免許と知事免許、5年の有効期間、更新、変更・廃業の届出を流れで整理します。
免許は事務所の所在で決まる
知事免許と大臣免許
- 宅地建物取引業を営むには免許が必要です。一つの都道府県内だけに事務所を置く場合は、その都道府県知事の免許を受けます。
- 二つ以上の都道府県に事務所を置く場合は、国土交通大臣の免許を受けます。取引する物件の所在地や営業区域ではなく、事務所の所在地で判断します。
- 本店で宅建業を行わなくても、支店で宅建業を行うなら本店も宅建業法上の事務所になります。一方、継続的に契約権限を持たない単なる連絡所は事務所に当たりません。
- 免許は個人または法人に与えられるため、相続、合併、事業譲渡によって当然に承継されるものではありません。
図解:免許権者の決め方
事務所を置く都道府県はいくつ?
- 一つの都道府県だけ
事務所所在地を管轄する都道府県知事の免許 - 二つ以上の都道府県
国土交通大臣の免許
有効期間は5年、更新は90日前から30日前まで
期限の数え方
- 免許の有効期間は5年です。引き続き営業する場合は、有効期間満了日の90日前から30日前までに更新申請をします。
- 期限内に更新申請をしたのに満了日までに処分が決まらないときは、処分が決まるまで従前の免許が有効です。更新が認められた場合の新しい5年間は、従前の免許の満了日の翌日から始まります。
- 免許を受けてから1年以内に事業を開始しない場合や、引き続き1年以上事業を休止した場合は、免許権者はその免許を取り消さなければなりません。これは必要的取消しです。
図解:更新申請の時間軸
免許の有効期間は5年
- 満了日の90日前
更新申請の受付が始まる - 満了日の30日前
更新申請期間の最終日 - 満了日
期限内に申請済みで処分待ちなら、従前の免許は処分まで有効
免許換えと変更届を区別する
事務所を動かしたとき
- 知事免許の業者が別の都道府県にも事務所を設けるときは大臣免許へ、一つの都道府県だけに事務所を置く状態へ変わるときは、その都道府県の知事免許へ免許換えを申請します。
- 知事免許の業者がすべての事務所を別の一つの都道府県へ移す場合は、移転先の都道府県知事へ免許換えを申請します。
- 商号・名称、役員、政令で定める使用人、事務所の名称・所在地、専任宅建士など免許申請書の一定事項に変更があった場合は、原則として30日以内に変更の届出をします。
図解:免許換えか変更届か
何が変わった?
- 事務所を置く都道府県の範囲
新しい免許権者へ免許換えを申請する - 商号・役員・所在地・専任宅建士など
原則として変更から30日以内に、現在の免許権者へ届け出る
廃業等の届出は誰がするかを問われる
主な届出義務者
- 個人業者が死亡した場合は相続人が、死亡を知った日から30日以内に届け出ます。免許は死亡時に失効します。
- 法人が合併により消滅した場合は消滅法人の代表役員だった者が、合併の日から30日以内に届け出ます。
- 法人が破産手続開始決定を受けた場合は破産管財人が、それ以外の理由で解散した場合は清算人が届け出ます。宅建業を廃止した場合は、個人なら本人、法人なら代表役員が届け出ます。
宅建業に当たる取引
- 自ら行う宅地・建物の売買または交換を反復継続する行為は宅建業です。売買、交換、貸借の代理または媒介を反復継続する行為も含まれます。
- 自ら所有する建物を賃貸する行為や、借りた建物を転貸する行為は宅建業に当たりません。自ら貸すのか、他人の貸借を代理・媒介するのかを分けます。
- 破産管財人が裁判所の監督下で財産を売却する行為自体は宅建業ではありませんが、その売却を反復継続して媒介する業者には免許が必要です。信託会社は国土交通大臣への届出により免許規定の特例を受けますが、取引規制まで全面的に免除されるわけではありません。
法令・出典情報
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 確認日
- 2026年7月30日
- 法令根拠
- 宅地建物取引業法第3条、第3条の2、第7条、第9条、第11条、第66条
- 更新内容
- 国土交通大臣免許の申請に関する都道府県経由事務は、2024年5月25日から廃止されています。
公式参照先
2026年4月1日時点の公式法令・国土交通省資料を基に、宅建試験の主要論点を独自整理した記事です。