宅建業法 ・ 監督処分・罰則

監督・監督処分・罰則

宅建業者と宅建士の処分、処分できる行政庁、代表的な刑罰を重い順に整理します。

読了目安 約10分 ・ 2026年4月1日基準

監督と監督処分を区別する

国土交通大臣はすべての宅建業者に、都道府県知事はその区域内で業を営む宅建業者に、必要な指導・助言・勧告を行えます。また、報告を求め、事務所などへ立ち入って帳簿や書類を検査できます。これらの監督と、違反に対する指示・業務停止・免許取消しなどの監督処分は分けて考えます。

宅建業者は指示・業務停止・免許取消し

処分権者と上限

  • 指示処分は、法令違反、取引関係者への損害、取引の公正を害する行為などに対して行われます。免許権者だけでなく、違反業務が行われた都道府県の知事も処分できます。
  • 業務停止処分は、全部または一部の業務について最長1年間です。免許権者のほか、他の都道府県知事も、その区域内で行われた業務の違反を理由として命じられます。
  • 免許取消処分を行えるのは免許権者だけです。不正な手段で免許を受けた場合、違反の情状が特に重い場合、業務停止処分に違反した場合などは必要的取消しです。
  • 免許後1年以内に事業を始めない場合や、引き続き1年以上事業を休止した場合も必要的取消しです。一方、免許に付された条件への違反は任意的取消しです。

宅建士は指示・事務禁止・登録消除

業者の処分と対応させる

  • 名義貸しや宅建士の事務に関する不正・著しく不当な行為には、指示処分が行われることがあります。
  • 事務禁止処分は最長1年間です。登録した都道府県知事だけでなく、違反事務が行われた都道府県の知事も指示または事務禁止を行えます。
  • 登録消除を行えるのは登録した都道府県知事だけです。不正登録、不正な宅建士証の取得、情状が特に重い場合、事務禁止処分に違反した場合などは登録消除の対象です。

聴聞と公告の範囲

宅建業者への指示・業務停止や、宅建士への指示・事務禁止を行うときは聴聞が必要です。宅建業者に業務停止または免許取消しを行ったときは公告されますが、指示処分は法70条の公告対象に含まれません。

罰則は重いものから覚える

代表例と刑の上限

  • 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、またはその両方は、不正な免許取得、無免許営業、名義を貸して他人に営業させる行為、業務停止命令違反です。
  • 2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、またはその両方は、重要事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為です。
  • 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、またはその両方は、不当に高額な報酬を要求する行為です。
  • 6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、またはその両方となる代表例は、誇大広告、不当な履行遅延、手付の貸付けなどによる契約の誘引です。
  • 37条書面の不交付、従業者名簿・帳簿の不備、報告拒否や立入検査の拒否などには、50万円以下の罰金となるものがあります。

行政処分と刑罰は両方あり得る

監督処分は行政上の処分、罰則は刑事上の制裁なので、同じ違反について両方を受けることがあります。また、従業者などの違反では行為者だけでなく法人も処罰される両罰規定があり、特に重い違反では法人に1億円以下の罰金が科されることがあります。

処分理由と処分権者のひっかけ

  • 監督処分の理由は宅建業法違反だけではありません。宅建業に関して他の法令に違反し、業者として不適当と認められる場合も処分対象になり得ます。
  • 違反行為が行われた都道府県の知事は、その区域内で指示や業務停止を命じられる場合があります。ただし、他の免許権者が与えた免許を取り消すのは、その免許権者です。
  • 宅建士についても、違反地の知事は指示や事務禁止を行えますが、登録消除を行うのは登録をしている都道府県知事です。同じ違反について行政処分と刑罰の両方が科されることもあります。