抵当権の効力と法定地上権
不動産の使用を続けながら担保にする抵当権を、効力の範囲・順位・法定地上権から学びます。
引渡しなしで優先弁済を確保
抵当権は目的物を債権者へ引き渡さずに設定され、債務が履行されないときに競売代金から優先弁済を受ける権利です。設定後も所有者は不動産を占有・使用できます。効力は不動産に付加して一体となった物に及びますが、土地上の独立した建物に当然に及ぶわけではありません。
順位は登記の先後で決まる
順位と第三取得者
- 同一不動産の複数の抵当権は、原則として登記の前後により順位が決まります。
- 順位の変更には抵当権者間の合意、利害関係人の承諾、登記が必要です。
- 抵当不動産が譲渡されても抵当権は残ります。第三取得者は法定の条件で抵当権消滅請求を利用できます。
法定地上権の3つの視点
抵当権設定時に土地と建物が存在し、両方が同一の所有者に属し、抵当権の実行によって土地と建物の所有者が別になると、建物のために法定地上権が成立します。土地と建物は別個の不動産であるため、建物があるだけでは成立しません。
順位変更・順位譲渡・順位放棄を分ける
- 順位の変更は抵当権の順位そのものを入れ替えるため、順位を変更する抵当権者の合意と登記が必要です。ほかに利害関係人がいれば、その承諾も必要で、中間順位の抵当権者の配当額が変わることもあります。
- 順位の譲渡は、譲渡する抵当権者と譲り受ける抵当権者が通常なら受ける配当の合計額の範囲で、譲り受けた側を先に配当します。他の抵当権者の配当額は変えません。
- 順位の放棄も両者の通常配当額の合計範囲で処理しますが、両者を同順位として債権額の割合で配当します。譲渡は先取り、放棄は割合配分と覚えます。
法令・出典情報
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 確認日
- 2026年7月29日
- 法令根拠
- 民法第369条から第398条の22
公式参照先
宅建講習資料の論点構成を参考に、公式法令を基に独自作成した記事です。