権利関係 ・ 物権変動・不動産登記

物権変動と不動産登記

当事者間で所有権が移る時点と、第三者へ主張できる時点を区別します。

読了目安 約7分 ・ 2026年4月1日基準

物権の設定や移転は、当事者の意思表示だけで効力を生じるのが原則です。一方、不動産の物権変動を第三者に対抗するには登記が必要です。したがって登記は通常、売買契約や所有権移転の成立要件ではなく、第三者への対抗要件です。

共同申請が原則

登記申請の基本

  • 権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者が共同で申請するのが原則です。
  • 相続や法人合併による所有権移転登記などは、登記権利者が単独で申請できます。
  • 仮登記は後日の本登記の順位を保全しますが、仮登記だけで本登記と同じ物権変動の対抗力が生じるわけではありません。

2026年開始の住所等変更登記

2026年4月1日から、所有権の登記名義人は氏名・名称または住所の変更日から2年以内に変更登記を申請する義務を負います。施行日前の変更が未登記の場合も対象で、2028年3月31日までの猶予があります。

取消し前後で登記の役割が変わる

  • 取消し前に現れた第三者が保護されるかは、詐欺、強迫、錯誤など取消原因ごとの第三者保護規定で判断します。単純な登記の先後だけでは決まりません。
  • 取消し後に元の買主から別の第三者へ不動産が譲渡された場面は、二重譲渡に近い関係として登記の先後が問題になります。取消した者も、原則として先に登記を備える必要があります。
  • 通常の二重譲渡でも登記が対抗要件ですが、単なる不法占拠者や、登記の欠缺を主張することが信義に反する背信的悪意者は、保護される第三者に当たりません。