不法行為・使用者責任・工作物責任
一般不法行為、使用者責任、土地工作物責任、共同不法行為と時効を整理します。
一般不法行為は故意・過失と因果関係
故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた者は賠償責任を負います。被害者は原則として、故意・過失、権利侵害、損害、因果関係を主張・立証します。
誰が責任を負うかを分ける
使用者責任と工作物責任
- 従業員が事業の執行について第三者へ損害を与えたとき、使用者も原則として責任を負います。選任・監督に相当の注意をしたことなどを使用者が証明できれば免責される場合があります。
- 土地の工作物の設置・保存に瑕疵があり損害が生じた場合、まず占有者が責任を負います。占有者が必要な注意をしたことを証明すると、所有者が責任を負い、所有者には同じ免責がありません。
- 複数人の共同不法行為で損害が生じたときは、各人が連帯して賠償責任を負います。誰の行為で損害が生じたか特定できない一定の場合も同様です。
責任主体の見分け方
損害の原因は何?
- 本人の故意・過失
一般不法行為として行為者が責任 - 従業員の事業執行
被用者に加え使用者責任を検討 - 土地工作物の瑕疵
占有者、免責時は所有者の順で確認
損害と加害者を知ってから3年が原則
不法行為の期間制限
- 被害者または法定代理人が損害と加害者を知った時から3年間行使しないと、損害賠償請求権は時効で消滅します。
- 不法行為の時から20年間行使しない場合も消滅します。
- 人の生命または身体を害する不法行為では、知った時からの期間が5年になります。一般の3年と混同しないことが重要です。
債務不履行との競合
契約関係にある当事者間の事故でも、債務不履行責任と不法行為責任の両方の要件を満たすことがあります。ただし、二重に損害を受け取れるわけではありません。立証する内容や消滅時効などを制度ごとに確認します。
法令・出典情報
- 法令基準日
- 2026年4月1日
- 確認日
- 2026年8月15日
- 法令根拠
- 民法第709条、第715条、第717条、第719条、第724条、第724条の2
- 更新内容
- 生命・身体侵害の短期消滅時効が5年となる特則を含めて整理しています。
公式参照先
2026年4月1日時点の民法を基に、宅建試験の不法行為責任を独自整理した記事です。